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お金のあれこれ
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自分自身にかかっている介護保険をご存知ですか?

ナゾだらけの「介護保険」

発表された2014年の漢字は「税」だそうです。

今年4月に消費税が5%から8%に引き上げられてから、何となく家計が苦しくなった…と感じられる方が多いのではないでしょうか?

消費税の引き上げの理由は、「社会保障・税一体改革」のもと、増税分を「社会保障」に回すということでした。それなのに年金が引き下げられてしまった・・・と嘆く高齢者の声も多く耳にします。

確かに、福祉財源を確保するための増税が、逆に生活を苦しめることになっているとすれば、国民の怒りが噴出してもしかたがありませんし、怒って当然です。

その「社会保障」の核の一つとなっているのが、これからの高齢化社会に対する「介護サービス保障」の問題です。政府はいわゆる団塊の世代の高齢化に対処すべく消費税を3%引き上げたわけですが、さてその中核となる「介護保険」について、ほとんど国民に開示されていないというのはなぜなのでしょうか?

あなたは第1号?第2号?

自分の介護保険を知ろう

あなたの毎月の介護保険料はいくらですか?という質問に対して、即座に答えられる方はあまりいらっしゃらないのではないでしょうか。複雑怪奇と言ってもいい介護保険について、簡単に説明します。

まず、介護保険では、被保険者が第1号と第2号とに分けられます。

年齢65歳以上の国民を「第1号被保険者」と呼びます。現在40歳以上の国民に介護保険加入が義務づけられています。40歳以上65歳未満の国民を「第2号被保険者」と呼びます。

え?私は第1号だけど・・・という65歳以下の国民年金被保険者の方もいらっしゃるでしょう。年金と介護保険とでは、仕組みがまったく違う別物です。非常にややこしいのですが、介護保険はとにかく年齢によって分けられます。

ここで一つ注意しなければならないことは、40歳になるのはいつか、という問題です。

日常生活においてはむろん誕生日をもって40歳となります。ところが、保険制度上では、40歳の誕生日の前日をもって40歳とみなします。ですから40歳の前日から保険料の納付義務が生じるわけです。

40歳になりますと、各々の属する健康保険組合等に、健康保険料と合わせて、介護保険料を支払わなければなりません。サラリーマンでしたら給料から天引きされますし、自営業者ですと国民健康保険料と合わせて支払わなければなりません。

ここでも一つ問題が生じます。サラリーマンの妻は介護保険料が免除されています。つまり0円です。ところが自営業者の妻は、夫が自分の保険料と合わせて妻の分も支払います。ですから、夫の介護保険料がいくらなのか、妻の分はいくらなのか、がさっぱりわからないのです。

これは年金から天引きされる65歳以上の方も同じでしょう。

65歳以上の方の介護保険料は、実に9段階に仕分けされています。9段階も、です。驚くべき複雑さです。いったい誰が考案したの?と聞いてみたくなります。

介護保険料、いったい何に使われている?

いくら徴収されているのかすらよくわからない介護保険ですが、もっと疑問なのは、40歳以上の国民全員から集めたお金が、いったい何に使われているのか、ということでしょう。

もっとも多額の保険料が使われているもの・・・その答えは、「デイケア」です。

お住まいの周辺をご覧になってください。病院、クリニックの多くがデイケアセンターを併設してはいませんか?あるいは、産婦人科が突然閉院してデイケアセンターになってはいませんか?

院長先生方は口をそろえて、来たるべき超高齢社会にそなえて、とか、地域で高齢者を支えるため、とおっしゃいます。確かにその役目は大きいと言えますし、とても大事なことです。

しかしながら医療機関も営利団体である以上、その本音は「儲かるから」です。そう、デイケアはまさに医療機関のドル箱なのです。その威力(?)を実際に数字にしてみましょう。

私の母は要介護1で、週に一度病院のデイケアに通っています。朝9時に病院から迎えの車が来て、その際看護師が一人付き添います。持参するお金は昼食代として500円。病院でお昼を食べて午後1時に再び送迎車に乗り帰ってきます。病院にいる時間はおよそ4時間というところでしょう。

病院で何をしたの?と聞くと、参加者同士でオセロなどのゲームをした、と答えます。その間、病院職員の指導はないようです。

その1回のデイケアを受けるのに、介護保険から病院に支払われるお金は、約25,000円です。私の父も同様にデイケアに参加しておりますので、二人合わせますと、何と50,000円です。たったの4時間で一人につき25,000円とはべらぼうに高い料金です。

ちなみに精神科にもデイケアがありますが、こちらの料金は8,000円台です。高齢者デイケアとは違い、スポーツ、文化など様々なプログラムが組まれ、専門スタッフが二人以上つきます。精神科デイケアに比べますと、実に3倍のお金が、高齢者デイケアには支払われるのです。医療機関にとっては、まさにやらなきゃソンなお仕事と言えます。

もう一点、デイケアを利用するにはまず、「地域包括支援センター」に連絡します。市町村の長寿福祉課に電話しますと、必ず地域包括支援センターを紹介されます。

市役所が紹介するのですから当然市の機関であり、役所を利用するのと同様に無料だと思いがちです。ところがなぜかお金がかかります。指導料という名目で月に4,410円必要です。年にしますとかなりの金額になります。

それで何をしてくれるのかというと、年に一度自宅等を訪問し、生活で不便な点などを聞き出し対処してくれます。病院の手配から家事の世話までしてもらえるので、利用者とその家族にとっては大変便利な機関です。

しかしながら、ちょっと料金が高いのではないかな・・・というのが正直な感想ではないでしょうか。

これからの介護保険はどうなる?

デイケア、老人ホームに加えて、今後伸びると思われる分野が、訪問介護と訪問看護です。この二つ、言葉は似ていますが、微妙に違います。

訪問看護では、看護師や保健師といった医療機関に属する専門家が、患者宅や老人ホームなどへ出向き、利用者の介護をおこないます。医療行為をおこなうため、もともとは健康保険法のもとにあるサービスです。

訪問介護は、介護福祉士、訪問介護員(ホームヘルパー)といった人々が利用者を訪問し、介護にあたります。こちらは介護保険法により運営されます。

2013年の介護保険サービス給付額を比較しますと、訪問看護が1.4億円なのに対し、訪問介護は789億円にのぼり、これは全体の10.7%に当たります。デイケアの22.7%に比べますと約半分ですが、今後訪問介護部門が飛躍的に伸びることは確実と思われます。

介護保険を知っておけば便利に利用出来る

もう一点、非常に見落とされがちなのですが、介護保険を利用できるのは高齢者だけではありません。40歳から64歳の特定疾病患者も利用できます。

市区町村で必要な手続きをすれば、高齢者と同様にホームヘルパーによる介護や配食サービスなど、利用者に合ったサービスを受けることができますので、該当する方は市区町村役所にお問い合わせすることをおすすめします。

何事もそうですが、無知こそが最も損をしてしまいますので、よく調べておくと良いのです。

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