銀行で住宅ローンの融資を受けるときにも、クレジットカード会社からカードの申し込みをしたときにも、そして消費者金融でキャッシングの申し込みをしたときにも、申し込みをしたからと言って必ずしも契約が出来るわけではありません。
さらには携帯電話ショップでスマートフォンの分割払いで購入をしようしたときにも、同じく必ずしも契約ができ、分割によるスマートフォンの本体購入が出来るとは限りません。
契約の際に消費者の前に立ちはだかるのが、審査と言う壁です。この人は融資しても大丈夫な人物か、収入は返済できるだけの金額があるのかなどを、まずは申し込み書に記載されている内容から貸金業者などがしっかりとチェックをしていきます。
しかし、それだけでは審査は十分とはいえません。もしかしたら記入内容に虚偽記載があるかもしれませんし、記載項目に無い何かネガティブな要素となるものがあるかもしれません。そんなときに活躍するのが、信用情報なのです。
審査の際には、貸金業者はあるところに行って情報を見せてくれるようにお願いをするのです。そのあるところというのが「信用情報機関」です。名前だけを聞くと、何だかスパイ組織のような名前ですが、もちろんそんな類の組織ではありません。
信用情報機関というのは、お金の貸し借りに関して、この人はどんな人なのか、いくら借りているのか、きちんと返済しているのかといったことを把握している機関です。
自分の会社ですでにお金を借りていて、追加で融資を受けると言うのであれば、自社の貸し出し履歴などを見れば把握することは可能です。しかし、他の会社でお金を借りている場合、他の会社に対して「貸し出し履歴を見せてください」と言ったところで見せてはもらえません。
そんな場合でも、信用情報機関に情報の参照をすれば、他社からの借り入れ状況もつぶさに確認することが出来るのです。
かつてはこの信用情報機関、5社ほどあったようですが、現在では3社に集約されています。それぞれの信用情報機関で、得意とする貸金業者のジャンルが異なってきます。
まずは「CIC」です。CICが主に対象としている業種は、クレジットカード会社に信販会社、リース会社に消費者金融、そして携帯電話会社など、かなり我々の身近なところにある貸金業者が多いです。
次は「全国銀行個人信用情報センター」です。名前からも大体想像がつきますとおり、この信用情報機関が対象とする業種は、銀行や信用金庫、信用組合に農協、そして労金といった金融機関がメインとなっています。
最後に、「JICC」です。JICCが対象としている業種は、貸金業にクレジット会社、リース会社に保証会社、金融機関の与信で、CICと重複するところも多いです。主に消費者金融系が多いため、大手のプロミスなどの消費者金融キャッシングサービスは大体が加入しています。
ちなみにこれらの3社、「CRIN」と呼ばれる共通システムを採用していますので、ある程度の情報の共有をしていることになります。つまり、JICCに加入していてCICに加入していない業者で何らかのトラブルを起こしているとすると、CICにも同様のネガティブ情報が共有されます。ただ、全国銀行個人信用情報センターだけは、若干の独自性があるとも言われています。
どうやって信用情報を見ればいいのか、全く分からないと方もいることでしょう。そこでここでは、CICにおける信用情報の請求方法について見ていきます。
開示方法については、大きく分けて4つの方法があります。パソコン、携帯電話、郵送、そして直接訪問するという4つの方法です。パソコンや携帯電話からでも請求できると言うのは、正直意外です。
パソコンや携帯電話から請求する場合には、クレジットカード払いで1,000円支払わなければならず、請求した信用情報を画面上で確認することも出来ます。郵送の場合には、定額小為替証書で1,000円を前払いして、申し込み書や本人確認書類とともに郵送します。訪問する場合には、その場で500円を支払い、本人確認書類を提示します。
どの方法であれ、請求した信用情報には次の項目が事細かに記載されています。
まずは申し込み情報です。具体的には、氏名や生年月日などの個人情報や、照会日や商品名、支払予定回数などの申し込み内容に関することです。次にクレジット情報。これは氏名や生年月日などの情報、契約内容や支払い状況、その残債などが記載されています。
そして利用記録ですが、これは利用日や利用目的など、利用した事実に関する情報が記載されています。
信用情報の開示をする際には、名前や住所、電話番号を正確にミス無く記入をして下さい。信用情報機関側はそれらの情報と一致する情報を抽出しますので、例えば住所が一つ間違っている、電話番号が一桁間違っているだけでも正しい信用情報が見れません。
また、開示請求をする際には住所や電話番号の記入欄が複数ありますので、引っ越し等によって以前の住所、電話番号で何らかの申し込みをした方、可能性がある方は、考えうるもの全てを記入するようにしましょう。