借金を返済するときになって「金利が高い」とか「返済額が多い」と不満を言う人がいます。借りる時にしっかり計画を立てずに、「何でもいいから貸してくれるなら」と安易に契約した結果、返済がきつくなって、つい不満が口から出ることになったのでしょう。
今回はそんな不満が出ないように、上手な返済の仕方について考えてみましょう。
借金を返済するときになって「金利が高い」とか「返済額が多い」と不満を言う人がいます。借りる時にしっかり計画を立てずに、「何でもいいから貸してくれるなら」と安易に契約した結果、返済がきつくなって、つい不満が口から出ることになったのでしょう。
今回はそんな不満が出ないように、上手な返済の仕方について考えてみましょう。
個人の借金を企業の借金に置き換えて考えると、キャッシングの借金も分かりやすいです。
建物や備品購入が設備投資、仕入れや賃金などは運転資金となり、資金調達が必要となります。中には借金返済のために借り入れをすることもありますが、とにかく借り入れの目的の多くは決済資金となるはずです。これらのケースのほとんどは、融資する金融機関の審査を受けることになります。
借り入れ申し込みで最重要な点は、言うまでもなく「確実な返済」を約束することです。仮に何年も何十年も付き合いのある企業ならば、景気に左右された多少の浮き沈みがあっても、長年の「信用」で審査が下りるものです。
ところが初めての取引となれば審査は厳しく、経営者の身辺調査や取引状況、過去三年間の利益推移など様々な資料を検討した上で、最終的に公的保証をつけて審査が通るような難しい手続きになります。つまりお金を借りるということは、信用が無ければ案外難しいものなのです。
「借金のために必要なもの」と聞くと、保証人や保証審査を挙げる方が多いようです。確かに貸す側にとって重要な条件の1つにはなりますが、それは返済を受けられないときの次善の策であって、しっかりと返せるのであれば本来は不要な手続きなのです。
つまり、初めての取引で保証人を立てるのは、簡単に言ってしまえば貸主が借り手側を信用していない、となるでしょう。
信用を得るには、単純にしっかりと返済を続けるしかありません。融資を受けても事故なくしっかりと返済を繰り返していると、徐々に信用が生まれ、保証なし(代表者保証のみ)の「無担保無保証」で借り入れができるようになります。
企業であれば仕入れや支払いのために1年間で何度も借り入れや返済、または似た内容の行為を繰り返す場合もありますが、個人に置き換えて考えてみると、毎月借り入れを新規で申し込んでも、審査が通る可能性は限りなく低いと言えるでしょう。
ただし、企業では信用を得るための事業計画書をはじめとする借り入れのための資料を作成すると、計画性が明確となり、信用が生まれ、意外にスムーズな借り入れができる場合があるのです。ここが個人と企業の違いであり、信用の作り方のポイントでもあります。
借りる側は「なぜ借金するのか」と聞かれると、「お金が必要だから」と当然ながら答えることでしょう。一方で貸す側は「利息を稼ぐため」と答えるのではないでしょうか。ただし貸す側は利息を稼いでも元金が戻らなければ結果的に損をするので、約束通りに返してもらうことが絶対の条件となります。
そこで、返済約束が確実なのかを見極めるのが、貸主にとって大事なポイントとなります。申し込み時に提出された資料をもとに、資金繰り表を作成してその実効性を確かめるのです。
一般的な資金繰り表とは、以下の点が重要になります。
(1)収入(賃金) - 支出(生活費) = の収支残額がプラスでないと、借り入れはできません。
(2)経常外収入(借入や援助金) - 経常外支出(返済など) = で収支がでます。
(3)最初のプラス収支からマイナス収支の差額が返済財源になります。
これを月別で3ヶ月、半年、1年間と作成し、返済計画に無理がないかを確かめます。たとえば「自動車保有」と書かれていれば、車税や車検による支出などのいつもと違うお金の動きがあっても、次月の給料日まで資金が止まらないことを確認します。もちろん、万が一にでも止まるようなら審査は通りません。
資金繰りのポイントは、1日~30日までの1ヶ月単位のサイクルで作りますが、一般的に収入は25日または10日に入金されるはずですから、月末残で生活費に満たないようでは、返済財源が無いと判断されてしまいます。
切羽詰まって借りると条件が悪くなる
毎日借金に追われている生活にならないためには、自分用に日別の資金繰り表を作りましょう。お金が足りなくなる日を知っていれば、その日までに手当をすることができるわけです。
日別、月別、年間の資金繰り表を作れば、手持ち資金が足りなくなる(資金ショート)時期が分かり、少しは安心できるはずです。
資金ショートのずっと前から最も低利率のところに申し込めば、切羽詰まって「どこでもいいから借りよう」と悪い条件に手を出さなくて済みますし、苦しいながらも楽な気持ちで返済ができるようになります。
そこで、資金繰り表を上手に作成するときのコツをご紹介します。
資金繰り表の作成は「正直」に「正確」な数字を入れることが前提になります。例えば日曜日が返済日になっているようなら金曜なのか月曜なのか、そのぐらい細かなこだわりが必要です。
予想される収入と支出は、3ヶ月前からの実績から記入すると記載漏れが少なくなります。また、日別比較するときも便利ですから、なるべく遡って記入するようにしましょう。
全ての数字を入れた資金繰り表をみると、思っている以上に恐ろしい予定表ができているはずです。一瞬は悲観的になったとしても、その厳しい資金繰りで今まで生きてきたのですから、これからも必ず大丈夫です。
すべての数字が入った表から、ショートする前日を基準に資金繰りをはじめます。前日までに借り入れをすることでまた新たな返済が発生しますが、これを繰り返しながら徐々に借り入れ残高を減らしていくわけです。
資金が無くて借りたのですから、焦る必要はありません。一般的に言われる「計画的な返済」とは、1mmずつ前進するつもりで毎月末に僅かずつ残高を減らすような、地道な返済を続けることです。到底実現不可能な資金繰りを考え、不確定な要素で完済をするような予定では、計画的な返済とは言えないのです。
少しずつでも確実に、完済へ向けて返済を進めていくのが大事ですので、立てた計画通りに支払いを進めるようにしてください、どこかで自分に甘えて「今月だけ」と返済金額をケチったりすると、ズルズルと計画が崩れていってしまうので、気をつけましょう。