大阪市中央区に本社を構える地方銀行、それが近畿大阪銀行です。2000年4月、旧住友系の大阪銀行と旧大和系の近畿銀行との合併により、現在の名称へと変更となりました。

存続銀行は大阪銀行となりますが、現在の近畿大阪銀行は、りそな銀行を筆頭とするりそなホールディングスの完全子会社となっています。そのため、りそな銀行や埼玉りそな銀行では、ATM手数料が無料となるお得な利用が可能となります。

近畿大阪銀行には、大きく分けて3つのカードローン商品があり、まず基本とも言えるものから見ていくとすれば「近畿大阪クイックカードローン」です。クイックの名の通りに早い審査となりますが、さすがに消費者金融大手のアコムなどの審査時間と比べると劣ります。

クイックカードローン最初の特徴は、申し込み条件です。学生は利用できませんが、正社員の方以外にもパートやアルバイトの方も利用可能なカードローンです。

そのほかにも、近畿大阪銀行の営業エリア内に住んでいるか勤めている、契約時の年齢が満20歳以上66歳未満の個人の客様などの特徴がありますが、安定した収入さえあれば雇用形態が正規雇用でなくても申し込めるのは、銀行のカードローンとしては大きなメリットと言えます。

近畿大阪クイックカードローンに申し込む場合、わざわざカードローン専用のカードを発行する必要がありません。現在、近畿大阪銀行のキャッシュカードをお持ちの方でしたら、キャッシュカードにカードローン機能を追加しますので、1枚で2役になり、余計なカードで財布が膨らんでしまうことも無いのです。

銀行ではキャッシュカードにカードローン機能を付ける商品が多く、専用のローンカードが発行されなければカードでキャッシング利用がばれる心配もなく、内緒での借り入れに向きます。カード自体が発行されないSMBCモビットWeb完結のような特殊な借り入れもありますが、カードローン機能付きであっても、銀行のキャッシュカードが財布に入っているのは何も不自然ではありませんので、安心が出来ます。

近畿大阪クイックカードローンで借りる際の限度額は30万円、50万円、70万円、そして100万円の4種類が用意されており、どの限度額であっても適用される金利は変わりありません。情報確認日時点で適用金利は年12.475％ですので、30万円の限度額が適用された方は特にお得に借りられます。

銀行のカードローンであっても、100万円までは金利がそこまで低くならない場合も多いです。他の銀行の商品を見てみると、オリックス銀行カードローンの金利では100万円コースで年6.0％～14.8％、消費者金融であれば100万円超の借り入れで大手のプロミスの金利やアイフルの借り入れでも、金利は上限金利の実質年率で15.0％が取られます。

100万円までとする限られた範囲の借り入れを考えるなら、近畿大阪クイックカードローンは優れた金利となります。ただ、他にも100万円の限度額で金利が年9.8％となるソニー銀行カードローンなどもあるため、借りる際には他社や他行のカードローンもよく見ておきましょう。

近畿大阪銀行で次に見ておきたいカードローン商品が、「近畿大阪プレミアムカードローン」です。カードローンの名称に「プレミアム」と付くだけあり、様々な点が近畿大阪クイックカードローンとは異なります。

まず、申し込みに年収条件が設定されており、限度額が50万円の方以外は年収400万円以上ないと申し込みがができません。しかし、継続安定した収入があれば正社員でなくパートやアルバイトの方でも、プレミアムカードローンの利用対象となります。

ただし、パートやアルバイトで年収400万円は現実的でない数字です。ボーナスが無いのが一般的となるパートやアルバイトの方が年収400万円となると、月平均33.3万円以上の給料が必要となるため、自ずと50万円の限度額を選択することとなります。

ちなみに、専業主婦や学生は50万円型も申し込みができません。学生の方は消費者金融一覧から対応をするサービスを探し、専業主婦の方は銀行からの借り入れとなるみずほ銀行MyWingやイオン銀行カードローンを考えてください。

近畿大阪プレミアムカードローンは50万円型、100万円型、150万円型、200万円型、300万円型、400万円型、500万円型、600万円型、700万円型、そして800万円型の10のコースで限度額が用意されており、適用される限度額によって適用金利が変わる点は、近畿大阪クイックカードローンとは異なります。

ざっと金利を見てみると、50万円型は年12.475％、100万円型と150万円型は11.5％、200万円型は9.0％、300万円型は7.0％、400万円型は5.5％、500万円型は4.9％、600万円型は4.5％、700万円型は4.0％、そして800万円型は年3.5％の金利が適用されます。

地方銀行のカードローンで多いのが、銀行との付き合いの度合いで金利がお得になるというものですが、近畿大阪プレミアムカードローンにも同様のシステムがあります。近畿大阪銀行で住宅ローンを利用しており、かつネットバンキングの「マイゲート」を利用している方に関しては、上記金利よりもさらに0.5％金利が優遇されます。

返済は、カードローンで借りている残高の金額に応じて毎月の返済額が変動する「残高スライド定額方式」を採用しています。残高が50万円以下で毎月1万円の返済となり、50万円から100万円の借り入れ残高なら毎月2万円、100万円から200万円まら毎月3万円といったように、残高100万円単位で1万円ずつ毎月の返済額が変動し、700万円から800万円の残高の場合には毎月9万円の返済が求められます。

もうひとつ、近畿大阪プレミアムフリーローンにセットでつけられるカードローンもあります。セットでカードローンをつける場合、最初の限度額は10万円に設定されていますが、プレミアムフリーローンの返済が進むにつれてカードローンの限度額が増加していき、最大でプレミアムフリーローンの借り入れ額プラス10万円まで増加します。

近畿大阪プレミアムフリーローン単独での金利は年6.0％の固定金利となっていますが、カードローンをセットにすれば年5.7％とお得な金利となり、さらに住宅ローンとマイゲートを利用していれば、金利がさらに0.5％優遇されます。

フリーローンは、一度借りたら後は返済をするだけの商品です。しかし、繰り返し借りられるカードローンをセットできれば、困ったときには何度でも限度額内で繰り返し利用が出来るようになります。

フリーローンは返済を計画的に行いたい方に適する商品ですが、利便性の面ではどうしてもカードローンに劣ります。カードローンは利便性の面で優れる商品ですが、金利面ではフリーローンには劣ります。それら双方のメリットデメリットを程よいバランスで保っているのが、カードローンセット型のプレミアムフリーローンなのです。

近畿大阪銀行で用意がされているカードローンは、それぞれに申し込み条件の違いや特徴があります。近畿大阪銀行で借りるとしても、どの商品を利用するかはしっかりと検討をしなければなりません。

単純に金利だけを見て、低金利で借りたいのであれば近畿大阪プレミアムカードローンとなります。資金使途の面では特に不可とは書かれていない借り換えローン、おまとめローンとしての利用も出来る可能性があるため、消費者金融で高い金利で借りている場合には、有利な条件での借り換えも考えられます。

手軽に借りたいのであれば近畿大阪クイックカードローンが優れますが、大きな金額を借りるには不向きであり、生活費や支払いなどのちょっとした借り入れ、少しの1金額のカードローン利用までとなるのがネックです。

また、専業主婦カードローンの利用が可能であるか、保証会社はどこかなども見ておくと良いです。保証会社については近畿大阪プレミアムカードローンでは、オリックス銀行カードローンの保証会社と同様にオリックス・クレジット株式会社となり、保証会社を見てもやはりある程度の収入を得ている方をターゲットとしているのが分かります。

銀行のカードローンを利用する際には、様々な面を見ておくと、銀行側が求める客層も見えてきます。自身の収入や状況と銀行の求める層が一致しなければ、審査に通るのは難しくなります。このあたりも考え、近畿大阪銀行でお金を借りる際にはそれぞれに適する商品を選ぶ必要があるのです。