銀行のカードローンの金利を見てみると、多くは「変動金利型」などと記載がされています。住宅ローンやマイカーローンでは一般的である変動金利は、カードローンではあまり馴染みがありません。
実際にはそこまで気にすることではないのですが、変動金利は契約中であっても金利が上下する可能性があります。例えば初回契約時に9.8%の金利であったものが、市場金利の上昇などによって10.0%やそれ以上に、または逆に金利が下がる可能性があるタイプとなります。
限度額の増減に伴う金利の変化とは異なり、変動金利は完済までの間に金利が変わってしまうリスクがある代わりに低金利となっている場合が多いです。
カードローンよりも変動金利に馴染みがあり、利用者も多い住宅ローンを見てみると、変動金利型は毎月金利の見直しがされています。新規での契約をする際には実際に月によって金利が僅かに変わっており、上がる場合もあれば下がる場合もあります。
ただ、契約中の住宅ローンの金利に関しては毎月変動はせず、金利の見直しは半年に一度と決められています。利用中のローン金利が毎月コロコロと変わってしまっては返済の計画も立てづらく、大きな借り入れとなる住宅ローンにおいては利用者側の負担が大きくなってしまうためです。
同じ変動金利型である住宅ローンとカードローンを見比べてみると、住宅ローンの金利は毎月僅かでも見直しがされているのに対して、変動金利型となるカードローンの金利は変わっていません。
メガバンクのカードローンもそれぞれ変動金利となっていますが、三菱UFJ銀行のバンクイックも三井住友銀行カードローンもみずほ銀行カードローンも、月ごとにカードローン金利の変動は見受けられません。
それでももちろん金利が変動するリスクがなくなっているわけではないのですが、カードローンにおける変動金利は借りる金額もそこまで多くないことから、深く気にすべき点とは言えない部分もあります。
日本の金利が上がっているわけではないので当然なものの、代表的な銀行の変動金利型カードローンの金利推移を見てみると、2010年から2015年までの5年間においては金利が上がっていません。上がるどころか下限金利が下がっている金融機関もあるほどです。
5年間の推移を見て今後も金利が上がらないとは断言はできませんが、住宅ローンに比べると借り入れる金額が大幅に少なくなるカードローンにおいては、変動金利のリスクはそこまで大きなものではありません。
もちろん借りている金額にもより、仮に市場金利が大幅に上がるなどカードローンの金利にも何らかの影響が出そうであれば、前倒しで早めに完済をすることも可能です。
何千万円といった金額を借りる住宅ローンではなかなかそうもいきませんが、数十万円から多くても300万円程度の借り入れに留まるカードローンであれば、積極的な返済で元金を減らしていけば負担は抑えられます。
カードローンを利用中に細かに市場金利を見たり、日銀の動向を追ったりする必要はありませんが、住宅ローンの金利が大幅に上がるなどのニュースを見聞きした場合には、カードローン利用中の方は早めの完済を心がけるのも良いことです。
カードローンは変動金利云々よりも、長く借りてしまっている状況がリスクとなります。今後の収入がなくなってしまう、少なくなってしまうなどとなれば返済の影響が出てしまい、カードローンの利用があることによって様々な問題が生じる可能性もあります。
返済を長期化することによるデメリットと大きなリスクにも書いていますが、カードローンはだらだらと返済をするのはよくありません。払えるときには多くの返済をし、なるべくなら早くに完済をするようにすべきです。
金利変動のリスクだけでなく、将来的な自分自身が抱えるリスクにも気を配り、便利なカードローンを暮らしに役立てられるようにすると良いでしょう。
消費者金融のカードローンキャッシングは変動金利とは記載がされておらず、貸金業法などの法律が変わる場合や商品内容に変更がある場合を除き、基本的には消費者金融の金利は動きません。大手消費者金融のプロミス、アコム、アイフル、SMBCモビットを見ても、グレーゾーン金利が廃止された以降は上限金利が変わっていません。
ただ、貸し付け条件の下限金利は各サービスでいくらか見直しがされており、いくつかの消費者金融で数年前に比べると下限金利は下がっています。
下限金利が下がったところで実際にその金利で借りられるかと言えば話は別となるので、実際にはあまり関係のない話です。それでも上限金利は変わらずに下限金利だけが変わるのであれば利用者にはデメリットはありませんので、悪いことではありません。
各種ローンでは、変動金利は金利が動くリスクを利用者側が負うために低金利、固定金利は貸主がリスクを負うために高金利とされています。銀行と消費者金融のカードローンもそれぞれリスクの取り方で金利が変わりますので、どのように借りるかをよく考えてカードローンの利用を行ってください。